我が家は子供の大学進学について、
基本的に国立大学一本の方針で来ました。
我が子は理系で、工学部進学希望だからです。
第一志望大学の工学部は約90%が、
第二志望大学でも80%以上が大学院進学です。
となると、6年間の学費と生活費が必要になるわけで、
ざっと試算したところ、県外の大学に通う場合、
国立大で年250万円、
6年ともなると約1500万円ほど必要になります。
来年1年で定年を迎える私としては、
1500万円もの大学費用を何とかしていかなければなりません。
もちろん、在学中には給付型奨学金も目いっぱい申請していくことを計画しています。
なのに、なのに。
我が子が
「実は自分が一番行きたい学部は○○田大学の○○学部だ。
指定校推薦があれば応募したい。」
と言い出したのです。
もちろん、日本有数の○○田大学ですから
一般入試で受験するにはハードルが高すぎます。
指定校推薦があるなら応募してみたいという気持ちはわかります。
でもね。
私立大ですよ、私立大。しかも関東。
国立大の学費が年53万円に対し、○○大の理系学部学費は年160万円。
目玉が飛び出る金額です。
どうやって払うの?
しかも関東となれば住居費、食費も地方と比べものになりません。
それでも我が子が希望している以上、
なんとかなるのか調べないわけにはいきません。
入試の種類はいくつある?
大学入試にはいくつか種類があって、主なものとして
一般入試、総合型選抜(旧AO入試)、公募推薦、指定校推薦などがあります。
一般入試
一般入試はご存じの通り、受験生が希望する大学・学部に自分で願書を出して受験します。
ごく一般的な受験方法ですね。
入試の点数だけが合格基準になります。
国立大学の場合、大学入学共通テストの点、大学個別試験(二次試験)の合計点で判定します。
大学によって共通テストと個別試験のウエイト配分が違います。
私立大学の場合、大学の独自試験の点数で判定します。
最近は共通テスト利用、共通テスト併用といった試験方法も増えてきました。
共通テスト利用の場合、共通テストの点数のみで判定し、
共通テスト併用の場合、共通テストと独自試験の合計点で判定します。
自分の受験したい大学がどのような試験方法をとっているか、よく調べておく必要があります。
総合型選抜(旧AO入試)
総合型選抜は、昔のAO入試です。
AOはアドミッション・オフィスといって、入学事務局を表すのですが、総合型選抜は入学事務局が収集する情報を大きく選考材料として反映させた入試になります。
大学が求める人材について、学力だけじゃなく、高校在学中の成績や活動内容、そのほか大学に入って何をしたいのかといった意欲を総合的に判断する選抜方法です。
その生徒の学習意欲や大学への適性、学力試験では測ることができない個性や能力が試されます。決して学力だけではなく、多面的に優秀な学生を獲ろうという大学の意図があります。
公募推薦
公募推薦は、高校が大学からの指定を受けていない高校からでも、広く推薦を受け付ける制度です。
学力テストではなく、志望理由書の提出や小論文の提出、面接などを経て合否を決めます。
指定校推薦とは違って、広く募集するものですから、全国の応募者がライバルとなりますので当然競争率は高くなります。合格できる保証があるわけじゃありません。
公募推薦には2種類あって、「一般推薦」と「特別推薦」に分かれます。
「一般推薦」は、大学の出願要件を満たしていれば、学校長の推薦状をもらえば誰でも出願ができます。
「特別推薦」は、文化活動やスポーツ活動などで実績を残した人が出願できる推薦入試です。
いわゆる「スポーツ推薦」などがそれです。
指定校推薦
そして指定校推薦は、大学側から高校に対して、学部ごとに何人といった割り振りをして受験生を募集するものです。
指定校推薦とは
指定校推薦は、大学側から高校に対して、学部ごとに何人といった割り振りをして受験生を募集するものです。高校からの進学実績に応じて大学側から指定されるので、自分の通う学校が指定されなければ応募できません。
人数も1校あたり数人といったところです。
指定校推薦の時期
指定校推薦の募集は6月~8月頃に各学校で公開されます。
そこから学校内での選考をして10月頃までに推薦される生徒が決まります。
10~11月頃に大学に出願し、小論文や面接などをして12月頃に合否が分かります。
指定校推薦のメリット
学校は募集のあった大学に推薦するにふさわしい学生を大学に送り込むことで進学実績を作ることができます。
受験生としては一般入試では学力が追い付かずに相当な努力が必要なレベルの高い大学に、学校が推薦さえしてくれればほぼ間違いなく合格します。
しかも大学入学共通テストが実施される前、年内に内定がでます。共通テストを課す大学もありますが、ほぼ形式だけです。
入学してしまえば、一般入試を突破して入学してきた優秀な学生に囲まれることで、自分の意識も高くなりますし、レベルの高い交友関係も築くことができます。
また、自力では届かなかったようないい大学のブランドを手に入れることで、その後の就職に有利に働く可能性も高くなります。
指定校推薦のデメリット
ただし指定校推薦を通じて入学した場合、いいことばかりではありません。
さきほども書きました通り、自分の学力以上の大学に入学することができるわけですが、つまり周りは一般入試を突破して入学してきた、自分よりも頭のいい学生がゴロゴロいるわけです。
当然、真剣に勉強しないと大学の講義についていけないだけでなく、単位が取れずに留年してしまう危険もはらんでいます。
もし学生本人の大学でのがんばりが足りず、留年したり、あるいは退学したり、処罰を受けたりすれば、推薦した側の高校の評価が落ちます。
それによって次の年から指定校推薦の枠がなくなるということもあります。
指定校推薦を受ける以上、出身高校のカンバンを背負っていくんだという覚悟が必要になります。
学校の方も、「この学生なら推薦しても大丈夫」と言えるような学生を学内選考したうえで推薦することになります。
当然、高校在学中全般を通しての成績やクラブ活動、生徒会活動、遅刻・欠席などの就学態度などを総合的に判断することになります。
これは毎年学年末に発表される「評点」(いわゆる通知表)として各学生に示されるのですが、3年1学期までの評点平均が一定以上あることが条件です。
学校のレベルや大学側の要求水準にもよりますが、4.3以上は取っておきたいところです。
つまり普通に評点4、いくつかは評点5を取っておく必要があり、評点3を取ってしまうと相当苦しくなります。
少しでも指定校推薦、あるいは医学部進学などを考えている学生さんは、1年生の時からしっかりと勉強をしておき、クラブ活動、生徒会活動などをがんばっておくことをお勧めします。
これらのことを分かったうえで指定校推薦に応募する必要があります。
同じ大学の指定校推薦に同級生と志望校が競合した場合、評定平均の高い方が推薦を勝ち取るのは言うまでもありません。
高校によっては指定校推薦の裏LINEなどがあって、指定校推薦の欲しい生徒たちが、お互いの志望校について情報交換をして、志望校が競合しないよう調整するケースがあるようですね。
我が子の場合、生徒会活動などは一切せず、クラブ活動でも目立った成績を出せていなかったので、成績で勝負するしかないのですが、1年生の時に勉強をサボっていたので、指定校推薦の水準に達しているかどうか微妙なところです。
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