日本経済新聞のトップに
「『超計算』人類の手中に」
Googleの量子コンピューターが世界初の「量子超越性」の実証に成功か?
といった記事が掲載された。
何がすごいかっていうと、現在のスパコン(スーパーコンピューター)が1万年もかかって計算する演算をたったの3分程度でできたっていうからすごい。
我々が使っているビジネス用のちょっと早いPCの計算能力と比較したらどれだけ早いのって感じ。
世間ではビッグデータがどうとか言われ始めて久しい。
現在は情報をとにかくたくさん集めてそれらを効率的に処理することが求められる時代に入ってます。
Amazonや楽天でで買い物したりウィンドウショッピングをしたりすると、次から関連したおすすめ商品を自動的に表示してくれるなんてのはまさにこれ。
サイトをのぞきに来た人たちの興味・関心ごとをすべてデータ化してリアルタイムで売れ筋をランキングしたり、商品開発に活かしたりっていうのにビッグデータは使われてます。
テレビのお天気予報で、現在の地域別の天気について
「さあ皆さん、今のあなたの地域のお天気をリモコンボタンで選択して教えてください。」
なんてこともビッグデータ活用の一例。
で、量子コンピューターが現在のスパコンが1万年かける計算をたったの3分程度で計算できるって事の何がすごいかっていうと、たとえば
ある都市の交通渋滞を瞬時に把握して、付近にいる車ごとに最適な行先案内を提供できたりってことが可能になる。
これは、
- 現在の渋滞の状況を知る
- 付近を通行している車ごとのドライバー1人1人の目的地を知る、
- それらをどのように組み合わせれば全員が最短の時間、最短の走行距離で目的地に到着することができるのかを割り出す
といった、それはもう考えるのに気の遠くなるような演算を一瞬で終えてしまうといったことが可能になるわけですよ。
コンピューターの進化の速度ってはえーな!!
と思ったわけですが、
ここでちょっと興味が湧いてきたわけで。
量子コンピューターってなによ?
調べてみたのでありますが、完全に理解できたかというとほとんど理解できなかったというのが正直なところです。(恥)
わかったところだけ説明してみます。
これまでのコンピューターの演算方法が0か1、つまり通電(電気が通過する)がある(ON)か、ない(OFF)かで計算してた。
たとえば「00000001」だったら「A」、「00000011」だったら「B」、「00000111」だったら「C」をあらわすと決めて、0と1だけで全ての演算を実行するのが現在のコンピューターです。
0と1がずらーっと並んでいる暗号を読み取って計算していると思ってください。
この計算は電気のONとOFFで計算するわけだから、そのONとOFFを計算する回路を増やすことで演算処理速度をあげていたんですね。
回路が1個だと1つの演算しかできないけど、回路が10個あれば10個の演算ができる。
だから回路を増やすためには回路を入れるスペースを広げる(大型化)または回路そのものを小さくする(小型化)を進める必要があります。
各開発者さんたちは回路の小型化にも頭を抱えていたわけです。
ところが量子コンピューターの世界では0と1がずらーっと並んでいるだけでなく、0と1が同時に存在することが可能になるのだそう。
0か1かの2択を読み取っているのが現在の演算だけど、量子コンピューターは0か1かの2択に加え、01が同時に存在しているかの3択を読み取る仕組みなんだそうで、これだけでも選択肢が1.5倍になります。
もっと言うと2択の連続、
2択×2択×2択×・・・・・・・・・・・・・・・・
と計算していた演算を
3択×3択×3択×・・・・・・・・・・・・・・・・
と3択の連続で実行するわけですから、演算処理能力は
1.5倍×1.5倍×1.5倍×1.5倍×1.5倍×・・・・・・・・・・・
と早くなっていくわけです。
さらに量子力学による演算は、現在の演算方法とは全く違い、同時に複数の演算を実行することが可能なために計算スピードが圧倒的に早くなるんだそうな。
ところが、この量子というものが環境の変化、特に温度変化などに影響を受けやすいため、オフィスや家庭などのいろんな環境に置くことが非常に難しいらしい。
現在世界中で開発が進められている量子コンピューターはマイナス270度の絶対零度環境を作るなどの莫大な費用が掛かっているらしいんだな。
ここが解決しない限りオフィス用、家庭用の汎用コンピューターとしては使えない。
量子演算にしてもいくつもの方法があるらしく、まだまだ解決すべき課題は山積みなんだそうだ。
とはいえ、数年前だったら考えられなかったような進化が現実のものになりそうだという意味では非常に興味がある。
10年後はボクらの想像もできない全く違う世界が広がっているかもしれない。
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